友人の「ダメ出し」がアプリを育てる — Daylight Trip v1.0.2 を審査に出しました

リリースから1週間。旅行アプリ「Daylight Trip」のアップデート v1.0.2 を、今日 App Store と Google Play の両方に審査提出しました。

今回の変更は、全部で5つ。そのすべてが、最初のユーザーになってくれた友人の「ダメ出し」から生まれたものです。

目次

「たくさんダメ出ししてやる!」

リリース直後、友人がこう言ってくれました。「明日から実際に使って、たくさんダメ出ししてやる!」

正直、ありがたい宣言でした。開発者は自分のアプリの操作を全部知っています。どこをタップすれば何が起きるか、体が覚えている。だから「初めて触った人がどこでつまずくか」だけは、開発者には絶対に見えないんです。

届いたダメ出しは、こんなものでした。

  • 横にスワイプすると次の日に行けることに、気がつかなかった
  • 移動手段に「車」と「レンタカー」がない
  • 2泊3日で作った旅行を、あとから3泊4日に変更できない
  • 「出雲大社」から「玉造温泉」への移動を入れたいのに、検索に出てこない。しかたなく「出雲から出雲」になった
  • 自宅の最寄り駅からのリムジンバスを登録したいけど、小さい駅は検索に出ない

並べてみて、気づいたことがあります。「機能が足りない」という指摘はほとんどなくて、大半が「あるのに気づけない」「入れたいのに入れられない」だったということ。UIの世界で言う「発見可能性(discoverability)」の問題です。これは自分ひとりでは一生見つけられなかったと思います。

移動手段に「車」と「レンタカー」

ドライブ旅行・現地レンタカーはド定番の移動手段なのに抜けていました
(私の頭が公共交通の旅に寄っていた証拠ですね)。

スワイプに気づけない問題 → 矢印とバッジ

タイムラインは横スワイプで次の日に移動できるのですが、画面のどこにもそれを示すものがありませんでした。開発者には「当たり前」でも、初めての人には1日だけのアプリに見える。

日付ヘッダーの両脇に ◀▶ ボタンを付け、「3日目/7日」というバッジを添えました。ボタンは押せばもちろん動きますが、本当の役割は「ここに続きがあるよ」と目で伝えること。スワイプ操作自体はそのままです。

旅行期間の変更ができるようになりました

旅行のプランは変わりがち。2泊3日から3泊4日にしたり、急な用事で短くしたり。
そこで⋮マークで旅行の編集機能を追加しました(タイトル・開始日・日数の変更)

  1. ⋮マークをタップ
  2. 旅行を編集をタプ

「出雲から出雲」問題 → 自由入力という逃げ道

いちばん考えさせられたのがこれでした。Daylight Trip の都市データは世界3.4万都市+日本の主要空港。それでも「出雲大社」「玉造温泉」のような観光地や小さな駅は出てきません。データを増やす方向で戦うと、際限がない。

そこで発想を変えました。市内の移動なら、出発と到着は数kmしか離れていない。日の出日没の計算には実質影響しません。だったら、座標は選択済みの都市のものをそのまま使い、名前だけ自由に書けるようにすればいい。

検索画面の先頭に「「玉造温泉」をそのまま場所名として使う」というボタンを置きました。説明には「位置と時差は選択済みの都市のまま、名前だけ変わります」と一言。正確さが必要なところ(旅行の作成、日をまたぐ移動)では今までどおり都市データから選ぶ設計です。

ここでも友人のダメ出しがもう一段入りました。「それ、タップできるって分からなかった。押さずに戻っちゃった」——リスト行に見えていたんですね。色付きのボタンの見た目に変えました。作った本人には押せることが自明でも、初めての人には自明じゃない。今回何度も突きつけられた教訓です。

「最寄り駅を事前登録したい」→ 登録より履歴

友人の提案は「自宅の最寄り駅をあらかじめ登録できるようにしたら?」でした。気持ちはすごく分かる。
毎回「⚪︎×駅」と打ちたくない。

でも、設定画面に「自宅の最寄り駅」欄を作る方式には引っかかりがありました。登録できるのが1ヶ所だけになる。出発地は自宅だったり勤務先だったり、その時々で変わるのに。それに、設定画面をわざわざ開いて登録する人は、実はあまりいない。

採用したのは履歴方式です。自由入力で使った場所名を、アプリが自動で覚える(最近使った順・最大20件)。次に検索画面を開くと、何も入力していない段階で「最近使った場所」として並んでいて、ワンタップで選べます。「と」と1文字打つだけでも絞り込まれて出てくる。

つまり「登録」という操作そのものをなくしました。一度使えば、それが登録になっている。

自宅の駅も、勤務先の駅も、お気に入りの温泉地も、使ったぶんだけ自然にたまります。不要になったら長押しで削除——これも「書いてないと分からない」と指摘され、行の中に小さく説明を入れました。

個人開発者にとっての「最初のユーザー」

v1.0.1(空港追加・デモ画面の案内)と合わせて、リリースから1週間で2回のアップデートになりました。どちらも中身は友人のフィードバックです。

個人開発では、リリースがゴールに見えがちです。でも実際は、最初のユーザーが触った瞬間からが本番でした。開発者の目には映らないつまずきを、遠慮なく言ってくれる人がひとりいるだけで、アプリは目に見えて良くなっていく。

もしあなたが個人開発者なら、リリース直後に「遠慮なくダメ出しして」と頼める人をひとり確保しておくことを、心からおすすめします。そしてダメ出しには、できるだけ早く応えること。「言ったことが数日で直る」体験は、フィードバックをくれる人をもっと本気にさせてくれます。

v1.0.2 は現在審査中です。公開されたら、また報告します。

アプリの詳細はこちら: Daylight Trip 紹介ページ


Daylight Trip は SINQWELL のアプリです(Android / iOS で公開中)。



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